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嶋田邦子(しまだくにこ)さん1968年生
ショクギョウ:翻訳者/クインズ・インターナショナル キャリアプロフィール:大学卒業後、生保会社を経て輸入住宅メーカーで輸入貿易業務を約10年、大手油圧メーカーで社内翻訳と外国人付秘書を3年経験した後、翻訳・通訳サービスを提供するクインズ・インターナショナルを2006年4月に創設。 |
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英語をツールに、新しい世界の扉を開く
翻訳者、翻訳会社の経営者、国際交流に関わる事業部長といくつもの顔を持っている嶋田邦子さん。日本と外国との文化の架け橋になれればと、英語を武器に多彩なフィールドで活躍されています。 |
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>>きっかけ
ミュージシャンへの憧れが英語への目覚め
小学校3、4年の頃、ゴダイゴの大ファンだったんです。彼らの歌を聞いて、日本人があれだけ上手に英語で歌えるなんてすごいって思ったのが、英語に興味を持ったきっかけでした。今、聞いたら大したことはないと思うんですけど(笑)、私も彼らのように上手に英語をしゃべりたいと思って、ボーカルのタケカワユキヒデさんの出身大学の東京外国語大学に行きたい!と何も分からない小学生ながら目標を持ち、その頃から、漠然とですが、英語に関わる仕事がしたいと思うようになりました。高校卒業後は、東京外大ではなく(笑)、静岡県立大学の国際関係学部に進学し、国際言語文化学科・英米文化コースを専攻しました。大学卒業後は、スウェーデンの輸入住宅設計施工会社の貿易部で10年近く海外輸入業務に携わったり、油圧シリンダーのメーカーで社内翻訳と外国人副社長の秘書を務めたり、会社組織の中でキャリアを積みました。その後、翻訳・通訳を提供する会社として独立しました。 >>職業について
手がけるのは主にビジネス文書
現在、自ら設立した翻訳・通訳サービスのクインズ・インターナショナルに加えアクトレップ(株)という会社で国際交流に関わる人材育成やイベント企画に携わっています。翻訳の仕事で私が扱うのは、ほとんどが会社の契約書や機械の仕様書など産業翻訳と言われる文書です。翻訳というと、小説の翻訳や映画の字幕翻訳などをイメージされる方が多いと思いますが、自分の名前が表に出るような仕事は大抵、業界の著名な方がされるので、デビューの機会をみつけるのは容易ではないと思います。
>>こんな苦労も
100点がないのが語学の仕事
翻訳の仕事をしていて難しいのは、数学と違って「これが正解」というのがないところです。「これでいいかな」と作成した翻訳文を一晩おいて次の日読み返してみて「やっぱりこれでは」と直してみたり…きりがないんです。他の翻訳者の方に聞いても、皆さん同じことをおっしゃいますね。私が翻訳で常に心がけているのは、英語であれ日本語であれ読みやすいこと。人が読むものなので、たとえ論理的に書かれていたとしても、何が書いているのか伝わりにくくては意味がありませんから。 >>エピソード
忙しくなると徹夜も当たり前
今はかなり忙しい毎日を送っています。独立して1年ちょっとで、仕事のシステムを確立していく途上なので仕方ないのかもしれませんが、オフィスだけでなく自宅でも仕事をするのが日課のようになっています。翻訳は納期厳守が鉄則なので納期が迫ってくると徹夜することもざら。空が白むまでパソコンに向かって、出かけるのはコンビニだけという日が続くと、「私、なんのために独立したんだろう」って思うときもあります(笑)。だから土曜は休みと決めて、趣味のゴルフや映画鑑賞をして、仕事のことは極力考えないようにしています。でも、外国映画を見に行って、「この訳、ちょっと変だぞ」って職業意識がつい出てしまうことはあります(笑)。
>>やりがい
英語を介して未知の世界が開ける
翻訳の魅力は、英語を通して新しい世界が開けるところ。私の場合は英語を介してビジネスの現場で貿易や経営、法律について学ぶことができました。会社員時代に貿易実務、契約書や会計の翻訳を経験したことで、輸出入業務や守秘義務などの法律、営業について理解を深められました。そのおかげで、今、どの会社から翻訳を依頼されたときも、翻訳以外についてもトータルで仕事のお話させていただくこともできます。このことは、単に英語ができるだけの翻訳者と違い、実務が実際にできる、という意味で大きな強みになっていると思います。翻訳者を目指す人にアドバイスをするとすれば、「自分はこれだ」という専門分野を持つことですね。例えば、会計に興味のある人は、経理などについて日本語でいいから勉強して、それにプラスして英語を磨けばいいと思います。私が扱う産業翻訳は、英語ができるだけでは良い翻訳はできません。例えば、機械の仕様書の翻訳だったら、TOEIC 900点を取っているという人よりも、元メーカー勤務でエンジニアをされていた人のほうが内容をきちんと把握されている分、良い翻訳をされます。「何でもできます」という人がいますが、「何でもできる」というのは「何もできない」ことと同じ。どうせやるなら、例えば鉄道でも山でも何でも良い、自分の好きな分野を深く追求してほしいですね。 >>最後に
海外留学経験がなくても翻訳のプロになれる
結局、英語はツールなんです。私はそれに気付くまでにかなりの時間を要しました。以前は本格的な語学留学をしたことがないのがコンプレックスで、英語がうまい人に対してジェラシーを感じて、「もっと英語の勉強しなくちゃ」といつもあせっていました。でも、仕事をしているうちに、ペラペラしゃべれることと翻訳や通訳のプロとして活躍できるのは別だということが分かりました。国内でもやる気さえあれば、十分キャリアを積むことができます。仕事で最終的に大切なのは人との関係です。私は、社内翻訳・外国人副社長の秘書をしていたメーカー時代に良い人間関係を築けたので、独立するときにその会社のみなさんが応援してくれました。現在の自分があるのはそのおかげです。語学力はもちろん、人と人との出会いをいかに大切にできるかが、プロとしてやっていく上で重要だと思いますね。
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