
健康・スポーツ業界>スポーツインストラクター> サーフィンインストラクター |
三島久美子さん1977年4月生
ショクギョウ:プロサーファー/サーフィンインストラクター http://kumiko-mishima.com 18歳のときサーフィンと出会う。アマチュアの大会で成績を残し、26歳でJPSA(日本プロサーフィン連盟)公認のプロサーファーに。2007年、女子サーファーを対象とした個人スクールで開校。サーフィン歴10年。 |
プロと先生、2つの顔。
彼女は女子サーフィンの伝道師。 数々のコンテスト(競技大会)に出場し、雑誌やDVDにも出演。女子サーフィンの牽引役である三島さんは、プロサーファーである。 |
![]() |
![]() ![]() ![]() |
>>きっかけ
18歳の夏に見た、
ふと深夜にテレビを観ていたら、今年のトレンドとして「ボディーボード」を取り上げていたんです。高校3年生、18歳の頃でした。やってみたいな、と思って5000円くらいの安物のボードを買い、夏休みに家から一番近い海に行ったんですね。そうしたらボードの上に立っている人がいっぱいいる。サーフィンというものを知ったのは、それが初めてでした。初めての波とサーフィン。 「こっちの方がいい」。カルチャーショックでした。波自体を見たのも初めてで。近所の浜名湖でウィンドサーフィンを見たことはあっても、湖に波はないし。圧倒されちゃったんですね。 でも海までは自転車で50分と遠く、そうそう通うこともできず。サーファーなら誰もが知ってるドジ井坂氏の『サーフィング・クリニック』を授業中に読んで、独学でイメージトレーニングを重ねました。高校を卒業して念願の運転免許を取得してからは、会社帰りに毎日のように波乗りしていましたね、もうがむしゃらに。 そのうちコンテストに出るようになって、協会(JPSA)の公認を受けてプロサーファーになりました。個人でスクールを開くようになったのは、つい最近のことです。 >>職業について
初心者からプロ志望まで。
ボードを持って海に出るのも初めての初心者から、コンテストで上位を狙う人まで、レベル別にレッスンしています。1回2時間半ほどの時間で、1人6000円。口コミやホームページから依頼を受けます。1人からでもOKの少人数制ですね。個人で受け持つ少人数レッスン。 サーフィンインストラクターは、それ専門でやっている人はおそらく稀です。ほとんどはプロサーファーが生業としているサーフショップの開講するスクールに、講師として契約している人か、個人でやっているかだと思います。私も「プロサーファー・三島久美子」として個人スクールを開講しているんですね。 私がサーフィンを始めた頃はサーフィン人口自体が少なく、本格的なレッスンは確立されていませんでした。あれば自分も習ったのに、と思ったくらいです。今では書店に行けばサーフィン関係の本や雑誌は山ほどありますし、ハウツーもののDVDもたくさん並んでいます。『ブルークラッシュ』などの映画もヒットして、世界ではガールズ・サーファーのブームになっています。日本も、ハワイも、ヨーロッパも。サーフィンをする環境は、以前に比べてれば整ってきたと言えるでしょう。 >>こんな苦労も
サーフィンの本当の楽しさと、
私がコンテストに出るようになったのは、その方が早く上達すると教えられたからです。忘れもしません、生まれて初めて出場した大会では何ひとつ出来ませんでした。12分間の間に何本かの波に乗り、そのテクニックをジャッジされるのですが、その日は一本も波に乗れませんでした。練習では乗れていただけに悔しかったですね。それを伝える難しさ。 おかげで頭の中に「なんで?」とクエスチョンマークがつきました。なぜ、どうして上手くいかないの。その答えに気付く、ということを大会に出るたび繰り返し、それがレベルアップにつながり、プロを意識するようになったんです。 私がレッスンで伝えたいのはそこです。大会に出よう、もっと上達しよう、そのための準備をしよう。でも、大会に出場しようとするサーファーは実はそんなに多くないのです。女性は特にそう。レジャー感覚で始めて、そのままの人が多い。プロを目指す人、選手志向の人は限られてるんですね。 サーフィンは自然を相手にする過酷なスポーツ。だから楽しい。でも上達すれば、もっと楽しい。そういう「楽しさ」をレッスンの中でいかに伝えられるかが、まだまだ私の課題です。 >>やりがい
サーフィンを好きになっていく。
初級、中級、上級。レベル別に3つのコースを開講していますが、中級以上の人がレッスンの中心です。中級以上というのは「大会に出たい人」を指します。未熟でもいいから、とにかく出場したいという気持ちがある人。だから、せめてボードやウェットスーツは自分で買って持っている人、これからもサーフィンを続けたいと願う人を教えたい。それを近くで手助けできること。 ただ、そうはいっても、波乗りしたことなかった人が初めて体験したときの笑顔はたまりません。どんな初歩的なことでも質問してくれると嬉しいし、こちらも俄然やる気になります。初心者がサーフィンを好きになっていく過程を手助けできることが、インストラクターとしてのやりがいを感じられる部分です。 プロとして、自分の練習はもちろん続けています。ツアーで各地を転戦しています、スポンサーの期待にも応えなければいけません。それはそれ。一方で、サーフィンインストラクターとしての喜びもまたあるんです。私のレッスンをきっかけに、自分ひとりでも海に行って波乗りしようという人がもっと増えればいいなと思っています。 >>最後に
サーフィン文化はまだまだ。
サーフィンインストラクターを目指す、という人はあまりいないように思います。まずサーフィンを好きになり、波に乗り、腕を磨き、場合によってはプロになって、インストラクターとしての顔も持つ。流れとしてはこんな感じでしょうか。インストラクターの免許はありますが、制度自体がまだまだ普及していないのが現状です。みんなで切り開こう。 おかげで、サーフィン人口は増えました。湘南などもそうですが、千葉の九十九里は本格的なサーファーが近くに移住して毎日波に揉まれています。私の故郷である浜松の海でもレッスンしていますし、波乗りの出来る海はどこも人で溢れています。 だからこそ、もっと大会に出場して、上達して、サーフィンをますます好きになって欲しい。特に女子サーフィンの世界はまだまだこれからの分野です。優勝賞金も高くはないし、スポンサーがつかなくて大会自体が流れてしまうことだってあります。それでもひたむきに、サーフィンに取り組んで欲しい。好きになって欲しい。そうして上達した人がサーフィンインストラクターとなり、サーフィンの魅力を伝え広めてくれ、ますます人口が増えてほしい。みんなで文化を切り開きませんか。 ![]()
|
|

![]() |
![]() ![]() ![]() |